時事問題を把握しよう!最近よく聞く【SDGs】(1)

今回は、いま世界的にも注目されているSDGsについて徹底解説をさせていただきます。
聞いたことはあるけど、詳しく知らない・・・
という方が多いと思いますが、
SDGsを理解しておくことで、
企業選択にも役立つこともあると思います。
まずは、SDGsが何なのかを理解しましょう!

▼SDGsとは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称となっており、「持続可能な開発目標」と言われています。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標となっています。

SDGsは、発展途上国だけが対象ではなく、先進国自身が取り組む普遍的なものであり、具体的には、17の目標169のターゲットから構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)こと」を誓っています。

▼17の大きな目標とは?

具体的に17の目標について触れていきましょう。様々なカテゴリの目標が設定されており、各目標にはターゲットと呼ばれる具体的な目標も設定されています。
すべてを記載することはできませんが、17の目標と、各目標にターゲットとして設定されている項目を一部ご紹介していきます。

1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
(例)2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
(例)2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。

3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
(例)2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。

4.質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
(例)2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
(例)あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。

6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
(例)2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
(例)2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
(例)2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
(例)全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。

10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
(例)2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。

11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
(例)2030年までに、全ての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。

12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
(例)2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
(例)気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
(例)2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
(例)2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
(例)あらゆる場所において、全ての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。

17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
(例)課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援なども通じて、国内資源の動員を強化する。

▼なぜSDGsが注目されているのか

最近では、メディアなどでもSDGsに関連する記事などが多く見られるようになりましたが、なぜ今注目を集めているのかを解説していきます。

1.自然災害や異常気象などに対する世界全体の危機感の高まり

地球環境は深刻な課題を抱えています。日本国内でも、異常気象に関するニュースが多く見られるようにもなってきました。その他にも、温暖化による気温上昇や、異常気象や自然災害の増加、森林の砂漠化と水不足などの課題を世界全体として抱えています。
また、今後世界の人口は増えていくと予測されています。つまり、人口が増加することで、上記のような課題がより加速する可能性があります。人口が増えていくことで、貧困や差別などの問題がさらに深刻化する可能性もあり、解決をしていく必要があります。貧困層が増えると、食料が足りなくなったり、資源を奪い合ったりするなど、環境破壊が加速してしまう可能性があります。
これらの状況から、世界全体としてしっかりと未来を考えていこうとなり、SDGsの採択とその推進に注目がされています。

2.世界が共通の認識をもって成長するための指標の必要性

SDGsには、前進となるMDGsというものがありました。MDGsとは、Millennium Development Goalsの略称で、ミレニアム開発目標と言われています。
MDGsは2015年までに極度の貧困と飢餓の撲滅など,2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、達成期限となる2015年までに一定の成果をあげましたが、教育・医療など目標達成できなかった分野もあります。
また、先進国では貧困問題を抱えていたり、環境破壊や自然災害の問題に直面したりといった状況が増えました。
そのため、2015年以降も世界全体として、様々な課題の解決に向けて取り組んでいこうということで、SDGsが誕生しました。

3.ビジネスチャンスとしての重要性

SDGsが世界的に認識されたことで、企業にとってもSDGsを無視できないと認識をされ始めました。日本国内の企業でも、SDGsに対して積極的に取り組む企業も増加し、外務省のHPにも積極的に取り組む企業にフォーカスをした事例紹介がされるようになりました。
これまで、CSR活動を通じて社会貢献をしていくという考え方が中心でしたが、今後は、SDGsに関連する取り組みも重要になると認識されているようです。

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