前回に続いて、SDGsについて触れていきます。
今回は、日本が世界からSDGsという観点からどのように捉えられているのかをご紹介させていただきます。最終回では、企業によるSDGsの取り組みについて触れていければと思います。
▼日本の取り組みってどうなの?
2021年6月に発表されたベルテルスマン財団及び持続可能な開発方法ネットワーク(SDSN)による報告書では、日本のSDGs達成順位は世界で18位と報告がされています。
ランキングの対象となったのは165カ国となっており、主要な国ではアメリカが32位、ロシアが46位、中国が57位、インドが120位となっています。
ちなみに、第1位はフィンランドとなっており、次いでスウェーデン、デンマークと北欧の国々がランキング上位となっています。
2016年 18位
2017年 11位
2018年 15位
2019年 15位
2020年 17位
2021年 18位
(年度別日本の世界ランキング)
それでは、17の目標ごとの日本の取り組みに対する、評価も見ていきましょう。
毎年発表される達成度では、各項目を下記の4つのグレードで評価をしています。
緑:目標達成(↑)
黄:課題が残っている(↗)
オレンジ:重要な課題が残っている(→)
赤:主要な課題が残っている(↓)
2021年の日本の各項目の評価は、下記となっています。
参照:https://dashboards.sdgindex.org/profiles/japan
<達成度合いが高い項目(緑)>
4.質の高い教育をみんなに
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
16.平和と公正をすべての人に
<達成度合いが低い項目(赤)>
5.ジェンダー平等を実現しよう
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう
さらに、2021年に発表されたレポートでは、大きな目標の中でも具体的に達成度合いが低い(赤色)評価となった目標における、具体的な内容は下記の20個ありました。
17の目標項目 | 指標の具体的な内容 |
1 | 相対的貧困 |
5 | 女性国会議員の人数 |
5 | 男女の賃金差 |
5 | 家事・子育てなど無賃労働時間の男女差 |
7 | 一次エネルギー供給量に占める再生可能エネルギーの割合 |
10 | パルマ比率(所得格差、所得の不平等を示す指標) |
12 | 1人あたりの電子廃棄物量 |
13 | 化石燃料の燃焼およびセメント生産による二酸化炭素排出量 |
13 | 輸入に伴う二酸化炭素排出量 |
13 | tCO2あたり60€とした時の炭素価格付けスコア |
14 | 生物多様性に重要な海洋地区の保護された平均占有面積 |
14 | 海洋健全度指数(OHI:Ocean Health Index) |
14 | 漁獲されすぎた、もしくは崩壊した魚種資源から獲られた魚の割合 |
14 | 輸入に伴う海洋生物多様性への脅威(100万人あたり) |
15 | 生物多様性に重要な地上地区の保護された平均占有面積 |
15 | 生物多様性に重要な淡水地区の保護された平均占有面積 |
15 | レッドリスト(絶滅の危険がある野生生物のリスト) |
15 | 輸入に伴う地上・淡水の生物多様性への脅威(100万人あたり) |
17 | 国民総所得(GNI)に含まれる政府開発援助(ODA)の割合 |
17 | 金融秘密度スコア |
(達成度合いが低い(赤色)評価の目標項目と内容)