インターンシップにエントリーする際に、提出を求められることがある「エントリーシート(ES)」
エントリーした学生全員が参加できるインターンシップもあれば、エントリーシートが通過した学生しか参加できないインターンシップもあります。
大手や人気企業などは応募者が多く倍率が高いため、書類選考が実施されることが多い傾向にあります。
「就職活動を始めたばかりで右も左もわからない…」
「とりあえずインターンシップには参加したい!」
「倍率高いけど、絶対参加したいインターンシップがある!」
そんな方のために、エントリーシートの書き方を詳しく解説します!
記事を読んで、書類選考を通過できるエントリーシートの書き方をマスターしましょう。
ここが大事!
企業が見ているポイント
選考通過するエントリーシートを書くためには、企業が見ているポイントをおさえることが重要です。
そもそも履歴書とエントリーシート(ES)の違いを知っていますか?
履歴書は、就活生の学歴や個人情報、資格、スキル、実績などを確認することを目的としています。エントリーシート(ES)は、志望動機やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、自己PR、長所短所など、学生の考え方や特徴を知ることを目的としています。
新卒採用において企業側は、正社員として働いたことがない未経験の学生を採用するため、経歴よりも考え方や性格を重視します。
そのため、選考のファーストステップやインターンシップの応募段階でエントリーシート(ES)の提出を求める企業が多いのです。
では、本題に入りましょう。なぜ企業はインターンシップの選考において、エントリーシートの提出を求めるのでしょうか?
理由は、2つあります。
▼エントリーシートの提出を求める理由
①志望度の高さを知るため
➁学生の考え方が自社と合っているかを知るため
①志望度の高さを知るため
インターンシップに応募している学生の中には、「なんとなく面白そうだから」「福利厚生が良いから」といった理由でエントリーする人もいます。参加枠が多いインターンシップであれば問題ありません。しかし、枠数が限られているものだとより志望度の高い学生に参加してもらい、採用に繋げたいと企業側は考えることがあります。そういった理由からも、志望度や意欲の高さを知ることができるエントリーシートが活用されています。
➁学生の考え方が自社と合っているか知るため
どれだけ志望度や意欲が高くても、考え方が自社と合っていて共感できるポイントがなければ、学生も企業も入社後に苦労します。同じ方向を見て、同じ目的に向かって仕事に取り組む組織が、企業です。企業はエントリーシートの内容をもとに、就活の軸や興味を持つポイントを知り、学生の人間性や人柄を読み取っています。自社とマッチする学生が優先的にインターンシップに参加できるよう、エントリーシートを活用しています。
上記2点を知るためにエントリーシートの提出を求めていることも少なくないため、選考を通過する上では、この2点が伝わる内容にすることは大切なことです。
また、インターンシップに向けたエントリーシートを書く上で、採用担当が評価する重要なポイントが3つあります。
▼採用担当が評価するポイント
①明確な目的意識
➁価値観や就活の軸
➂文章力・言語化する力
①明確な目的意識
企業は、なんとなく参加したい学生よりも、目的意識が明確にある学生に参加してほしいと考えています。そのため、「インターンシップを通してどんなことを学びたいのか?」「インターンシップに参加することでどうなりたいのか?」という目的意識がはっきりと記載してあるエントリーシートを高く評価します。目的意識がしっかり伝わるように記載しましょう。志望度の高さのアピールにも繋がります。
➁価値観や就活の軸
企業は、自社の考え方と合っている学生を採用したいと考えています。インターンシップも採用活動の1つであるため、エントリーシートを通して学生の価値観や就活の軸を知ろうとしています。そのため、価値観や就活の軸が伝わってくるエントリーシートを高く評価します。しっかり自己分析に取り組み、自分の価値観や就活の軸を明確にし、言語化できるようにしておきましょう。
➂文章力・言語化する力
企業は、社会人に必要なスキルの1つであるコミュニケーション能力を備えている学生を評価する傾向にあります。エントリーシートに限ったことではありませんが、学生の言語化する能力をチェック・判断し、簡潔で伝わりやすい文章を高く評価します。文章構成や言葉遣いなど、相手に伝わりやすい文章作りも意識しましょう。
企業がエントリーシートの提出を求める理由や評価するポイントをおさえてイメージが湧いてきたら、実際にエントリーシートの作成に取り掛かりましょう!
やってみよう!
ESの書き方
ここからは実際に書くために、どの項目にも共通する書き方とポイントをご紹介します!
▼書き方とポイント
①自己分析を行う
➁業界研究に取り組む
➂結論から述べる
➃根拠となるエピソードを盛り込む
①自己分析を行う
就活の軸を明確にするためには、自己分析に取り組む必要があります。過去の決断や行動をもとに自分が何を大切にしているのかという価値観と、これから何をやりたいのか?どんな風になりたいのか?という将来の理想とするキャリアを書き出してみましょう。理想とするキャリアプランを実現できて、自分が大切にしたい価値観と合う企業が、理想の企業です。就活の軸を明確にすることで、各質問項目において矛盾が生じず、統一感のあるエントリーシートになります。
➁業界研究に取り組む
インターンシップに参加するためのエントリーシートにおいては、「〇〇だからこの企業のインターンシップに参加したいんです!」という、参加目的をしっかり伝えることが重要です。そのためには、事前の業界研究・企業研究が欠かせません。「なぜその業界がいいのか?」「同じ業界の中でも同業他社ではなくその企業がいい理由は?」といった理由も明確に記載しましょう。業界研究の深さが伝わる文章であれば、熱意も伝わりやすくなり、他の学生との差別化もできるエントリーシートになります。
➂結論から述べる
どの質問項目においても、質問に対する結論から書きましょう。最初に結論を述べることで、話の全体像を明確にできるため、読み手の理解度が高まります。まず結論を述べて、その根拠となるエピソードを説明し、最後に意欲を示す一文でまとめると、伝わりやすい文章になります。簡潔で伝わりやすい文章にすることで、コミュニケーション能力や言語化する力をアピールできるエントリーシートになります。
➃根拠となるエピソードを盛り込む
➂の中でもご紹介したように、結論には根拠が必要です。根拠となるエピソードを説明する際は、できるだけ大学時代のことを具体的に伝えるようにしましょう。中学や高校時代のエピソードがNGというわけではありませんが、大学時代のほうが直近のエピソードであるため、現在の人物像をイメージしてもらいやすくなります。エピソードを盛り込むことで、性格や考え方などの人物像が伝わるエントリーシートになります。
エントリーシートは、質問項目以外にも必要な準備があります。添付する写真の準備や提出方法、提出先への配慮など、守るべきマナーもおさえましょう!
▼エントリーシートの提出に関するマナー
▢写真は3ヶ月以内に撮影しよう
▢書類を折らずに入る封筒を選ぼう
▢送付状(添え状)も同封しよう
▢封筒に書くべき内容を網羅しよう
▢締切には余裕を持って提出しよう
写真
エントリーシートに添付する写真は、3ヶ月以内に撮影したものを使いましょう。かなり前に撮影した写真の場合、現在と変化している可能性があり、本人確認の目的を果たせない場合があります。また、服装はスーツ、髪型は整えて、清潔感を意識して撮影に臨みましょう。写真で落とされることはありませんが、良い印象を持ってもらうために身だしなみを整えることは重要です。
封筒の選び方
封筒は、エントリーシートを折らずに入れることができる「角2」サイズがおすすめです。色は白色が無難です。また、エントリーシートなどの書類をクリアファイルに入れておくと、天候や配達状況に影響されず、綺麗な状態で書類を届けることができます。
添え状
合否に影響するものではないため、必ず必要なものではありません。ただし、基本的なビジネスマナーとして、誰が何を誰宛てに何の目的で送ったのかが伝わるように、添え状を付けておくと好印象に繋がるでしょう。基本ルールにのっとって、必要な情報のみ記載すればOKです。
封筒の記載事項宛名
封筒に書くべき情報はたくさんあります。最も重要な宛名は、表面の中央に大きく書きましょう。企業や部署宛ての場合は「御中」、個人宛ての場合は「様」と書きます。表面の左下には、「応募書類在中」と書いておきましょう。そして、裏面に自分の氏名と住所を書くことも忘れずに。最後に、開封されていないことがひと目でわかるように、綴じ目に「〆」を書いておくと親切です。
締切
当たり前のことですが、締切に間に合うように郵送しましょう。「〇月〇日必着」と指示されている場合は、その日までに企業のもとに届いている必要があります。「〇月〇日まで。当日消印有効」の場合は、その日までに配達受付されていれば問題ありません。ただし、締切ギリギリで送ることはあまりおすすめできません。できるだけ早く、余裕を持って提出しましょう。
※ネット上で提出する場合※
最近ではネット上でエントリーシートのデータを提出するケースも増えてきました。提出先と提出するデータが合っているかを確認したうえで、提出するようにしましょう。目視だけでなく、声に出して音読すると、間違いに気づきやすいためおすすめです。
マナーをおさえてエントリーシートの書き方も把握したら、より良い内容にするためにブラッシュアップさせていきましょう!
続いては、選考通過したエントリーシートをもとに、項目別の例文をご紹介します。
項目別!
例文付きでご紹介
そもそもどんな質問項目があるか、知っていますか?
▼質問項目
・志望動機
・自己PR
・ガクチカ
・長所短所
・趣味特技
上記がよく聞かれる代表的な質問項目です。他にも、企業によって独自の質問を準備していることもあります。
ここからは体育会学生の選考通過ES集をもとに、先輩がエントリーシートに書いた文章をご紹介します!
質問項目ごとにまとめているので、参考に読んでみましょう。
また、志望業種や職種、希望勤務地や地域、所属する部活動やサークルなど、自分と共通する例文を探して読んでみましょう。
▼志望動機
書き方のポイント
企業のインターンシップに参加したい目的を明確に記載しましょう。また、その企業やそのインターンシッププログラムを選んだ理由を、自分の就活軸とあわせて伝えることで、志望動機に納得感が出ます。
「弊社のインターンシップに参加を希望する理由は何ですか?(200字~300字)」
スポーツビジネスを体験することで、貴社との整合性を確認できると考えたからだ。私は単に製品を販売するのではなく、消費者のパフォーマンスや健康を考えて製品開発を行い、スポーツを通じて社会を豊かにするという貴社のモノづくりに対する考えに共感した。私はモノを「作る」のではなく、人の心に残るような製品を「創る」、社会価値を「創造する」ことができる貴社の仕事を学びたいと考えている。スポーツは人々の暮らしや人生を豊かにする「道具」であり、楽しいと感じさせる力、健康になる力、本気になれる力、社会を動かす力があると思う。私はスポーツ製品やサービスの提供によって、スポーツが持つ力を大きくすることに尽力したい。
「インターンシップに参加したい理由を教えてください。」
貴社の理解を深めながらチームでプロジェクトを企画することができる点に魅力を感じたからだ。私はチームで計画を組み立てていく上で、課題を見つけ、解決法を見出し、最良な計画を目指すことが好きである。他者の面白い視点や自身の意見を反映させ、より良いものが完成した時に大きな達成感を感じるからだ。現在、私は〇〇県の地域活性化を目的に、スポーツバル開催のプロジェクトを進めている。冬に新たなことに挑戦したいと考えていた時に貴社のインターンシップ情報を拝見し、必ず参加したいと思った。インターンシップでは、私の強みである求心力を発揮し、「より多くの考えを反映させたプロジェクト」を目標に取り組みたいと考えている。
▼自己PR
書き方のポイント
最初に自分の強みやアピールポイントを伝えましょう。続いて、その強みを発揮したエピソードを具体的に書くことで、根拠を伝えることができます。ここでは、あなたの強みやアピールポイントと、企業が求める人物像がマッチしていることが重要です。インターン参加後や入社後の成長・活躍イメージも書くことで、企業とのマッチングイメージを与えることができます。
「自己PR」
私が貴社で活かすことの出来る強みは2つある。1つは課題解決のために粘り強く取り組めることだ。私はラクロス部で最短でAチームに入るために自身の課題を分析し、週5日の全体練習に加え、授業の合間を縫って毎日1.5時間以上の個人練習を行い続けた。こうして自分にできることを増やし、それを周囲に還元してきた。この強みは低炭素化の進展やエネルギー自由化の環境変化の中で〇〇地区のゆるぎないエネルギー事業者として成長していく貴社において役立つと考えている。DX化など様々な変革に際して直面する課題に対して解決まで粘り強く取り組んでいきたい。2つ目は人を支えるために行動できることだ。後輩の育成を経験したことから人のために行動する楽しさを学んだ。貴社ではより多くの人々の生活を支えるために生産部門で様々な機器に対する知見を積みガスの安定供給を通して地域社会に貢献したい。
▼ガクチカ
書き方のポイント
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」です。まずは結論から延べ、続いて具体的なエピソードを述べましょう。最後に、その経験から学んだことで締めくくることで、結論に説得力をもたせることができます。結果や成果よりも、取り組みのプロセス(過程)や考えをしっかり伝えるようにしましょう。
「あなたが大学入学後、最も力を入れて取り組んだことについて教えてください。」
私は戦術長として、選手50人が所属するユニットの統率力を上げ、戦術力を向上させた。創部初となる関西強豪校への勝利を目指す上で、課題は、当ユニットの攻撃手札の少なさだった。この原因は、従来の組織体制(選手50:幹部2)による統率力のパンクだと考えた。この状況を今年こそ改善したいという想いから、幹部に加え6人のリーダーを設置し、戦術立案・導入、練習計画・運営の分担を目指した。しかし、①リーダーのモチベーション低下と②選手目線の欠如に苦戦した。そこで私は①リーダーの主体性に働きかけるように話し合い、意見を尊重した。②選手に多く質問をし、マネージャー目線だけでなく選手目線でも物事を考えられるようにした。その結果、6名の取り組む姿勢が改善した。効果的な統括が叶い、扱える攻撃数は3倍に増えチームの戦術力向上に貢献した。この経験から、周囲を巻き込む難しさと、人と向き合う重要性を学んだ。
▼長所短所
書き方のポイント
長所短所は、自分の思考や行動の傾向を書きましょう。長所と短所は、表裏一体になっていることがほとんどです。短所においては、短所とあわせて短所をカバーするために意識していることも述べると、ポジティブに伝えることができます。
「自分の長所、短所を教えてください。(100 文字以内)」
長所は、誰とでも円滑な人間関係を築くことができる点だ。これを生かし、大学では何事も人を巻き込んで行っている。短所は、人の意見に流されやすい点だ。時間がかかってもしっかり考え、後悔がないようにしている。
▼趣味特技
書き方のポイント
趣味特技は、合否に直結する項目ではありません。あなたの人物像を深掘りし、人となりを知るための項目です。素直に好きなことや没頭していることを書きましょう。
「趣味・特技を教えてください。(100 字以内)」
趣味は、旅行に行くことである。旅行と言っても、特に計画を立てる段階が非常に好きである。現地にいる自分を思い浮かべ、やりたいことを洗い出し、旅行行程を緻密に計画立てて胸を膨らませる時間が至福だ。
※()内に記載がない質問項目には、文字数制限や文字数の指定がありません。
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そして、企業に提出する前に、必ず誰かに添削してもらいましょう!
依然として就活生の売り手市場が続いていますが、大手企業や人気企業の場合、書類選考から倍率が高い可能性もあるため、練り上げた志望動機が必要になります。
家族や友人、先輩、チームのメンバーなど他の人に読んでもらい感想を聞くことで、気づきを得られたり、改善すべき点が明確になったりします。自分とは異なる視点でのアドバイスを取り入れて、エントリーシートをブラッシュアップさせましょう。
▼添削のすすめ
「添削してくれる人が見つからない」「専門的なアドバイスがほしい」「人事に響きやすいエントリーシートのコツを教えてほしい」という人は、エージェントやアドバイザーなど就活のプロを頼ってみましょう。初めて経験する就活の中で、プロのサポートは非常に心強く頼もしい力になります。
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