インターンシップや選考に応募する際に必要になる書類提出。
エントリーシート(ES)や履歴書の項目の1つに、ゼミや研究室に関する質問があります。
ガクチカや自己PRに関しては、学生時代頑張ってきた部活動やアルバイトの経験をもとに書くことができるため、あまり悩まない学生が多いでしょう。
しかし、ゼミや研究室に関する質問に関しては、何をどう書いたらいいのか悩む大学生が多い印象です。
「何を書けばいいかさっぱりわからない…」
「あまり注力していないからアピールできることがない…」
「ゼミにも研究室にも所属していない場合はどうしたら?」
そんな方のために、ゼミや研究室に関する項目の書き方を詳しく解説します!
記事を読めば、企業がゼミや研究室について聞く理由から具体的な回答方法まで、選考通過に繋がる書き方がわかります。
選考の合否や評価に影響することもある重要な項目で、自分の魅力を上手に伝えて、書類選考を突破しましょう!
ここが大事!
企業が見ているポイント
そもそもなぜ企業はエントリーシートにおいて、ゼミや研究室について質問するのでしょうか?
理由は、2つあります。
▼ゼミや研究室について聞く理由
①興味・関心の対象を知るため
➁取り組み方や考え方知るため
①興味・関心の対象を知るため
基本的にゼミや研究室は、複数の選択肢の中から自分で選び所属します。そのため、所属するゼミや研究室を選んだ理由から、学生の興味や関心がわかります。どんな目的があって、どのような基準でそのゼミを選んだのか?という部分から、企業側は学生の興味・関心の対象を知りたいと思っています。
➁取り組み方や考え方知るため
ゼミや研究室での活動は、個人ではなく同じゼミの学生や教授などと協力しながら取り組むことが少なくありません。そのため、組織の中での振る舞いから仕事に取り組む姿がイメージできます。また、卒論を完成させるためには、課題解決力や論理的思考力も必要になるため、業務で活かせる力もイメージできます。企業側は、ゼミや研究室の活動に対する取り組みを聞いて、仕事に対する取り組み方や考え方を知りたいと思っています。
上記2点を知るためにゼミや研究室について質問しているため、まずこの2点が伝わる内容でなければ、選考を通過することは難しいでしょう。
また、ゼミや研究室について書く上で、採用担当が評価する重要なポイントが3つあります。
▼採用担当が評価するポイント
①明確な目的意識
➁就活の軸に繋がる価値観
➂わかりやすく伝える言語力
①明確な目的意識
企業は、何事にも目的意識を持って取り組める人材を採用したいと考えています。そのため、「どうしてそのゼミを選んだのか?」「どんな目的があってそのゼミに所属したのか?」という目的意識がはっきりと記載してあるエントリーシートを高く評価します。目的意識がしっかり伝わるように記載しましょう。
➁就活の軸に繋がる価値観
企業は、自社の考え方と就活の軸がマッチしている人材を採用したいと考えています。ゼミや研究室の選び方や決め手、選択の基準などから、学生の人柄や価値観を知り、就活の軸を読み取ろうとしています。そのため、価値観や就活の軸が伝わってくるエントリーシートを高く評価します。あえて企業が求める人物像に寄せる必要はありませんが、複数ある選択理由の中でもその企業に響きそうな理由を特に強調して記載することで、自分と企業のマッチング度を伝えることもできます。自分の価値観がしっかり伝わるように、ゼミや研究室の選択理由を記載しましょう。
➂わかりやすく伝える言語力
企業は、社会人に必要なスキルの1つであるコミュニケーション能力を備えている人材を評価する傾向にあります。エントリーシートの文章を通して確認できるポイントは、学生の言語化する能力です。ゼミや研究室で学ぶ内容は、専門的であることがほとんど。専門的な内容であっても、簡潔でわかりやすく伝わる文章を高く評価します。文章構成や言葉遣いなど、相手に伝わりやすい文章作りも意識しましょう。
企業がゼミや研究室について聞く意図や評価するポイントをおさえてイメージが湧いてきたら、実際に文章の作成に取り掛かりましょう!
やってみよう!
ゼミ・研究室に関する書き方
いきなり書こうとしてもなかなか難しいので、まずは基本の文章構成をおさえましょう!
▼基本の文章構成
①所属しているゼミの概要説明
➁そのゼミを選んだ理由・目的
➂得られた成果や学んだこと
➃今後への活かし方
①所属しているゼミの概要説明
まずは質問に対する結論から書きましょう。最初に結論を述べることで、話の全体像を明確にできるため、読み手の理解度が高まります。まず結論を述べて、その根拠となるエピソードを説明し、最後に入社や仕事に対する意欲を示す一文でまとめると、伝わりやすい文章になります。簡潔で伝わりやすい文章にすることで説得力が増し、わかりやすく伝える言語力をアピールできる回答になります。
※ここではゼミや研究室について聞かれているため、「どんなゼミに所属して何を学んでいるのか」が結論です。ゼミや研究室の名前だけではイメージできないことが多いため、研究内容についても簡単に説明しましょう。ただし、知識を披露する場所ではないので要注意!
➁そのゼミを選んだ理由・目的
次に、ゼミを選んだ理由と目的を述べましょう。採用担当者は、ゼミを選んだ理由や選択の背景などから学生の価値観を読み取りたいと考えてます。自分の価値観を伝えることも意識してゼミを選んだ理由を記載することで、採用担当者に響く回答になります。
➂得られた成果や学んだこと
ゼミ活動を通して得られた成果や学んだことを簡潔に伝えましょう。ゼミ活動も部活動と同じく、様々な課題を乗り越えて目的・目標の達成に向けて取り組んだはずです。思うような成果が得られていない場合は、成果が得られなかった原因と次に活かすための対策などを伝えましょう。得られた成果や学んだことをしっかり記載することで、目的意識を持って取り組んだことが伝わる回答になります。
➃今後への活かし方
最後に、ゼミ活動の経験を今後どのように活かしていくのかを述べて、締めくくりましょう。大学時代のゼミ活動だけで終わらせず、次に繋がる経験をしていることが重要です。ゼミや研究室では専門的な学びが多いため、そのままの内容を今後に直接活かすことは難しいかもしれません。そのため、目的に対する取り組み方=プロセス(過程)に焦点を当てて考えてみましょう。今後への汎用的な活かし方も記載することで、仕事での活躍や貢献イメージに直結する回答になります。
基本の文章構成がわかったら、回答スペース別の書き方のポイントもおさえましょう!
▼回答スペース別の書き方
・文字数制限あり、スペースが狭い
企業によって回答スペースは異なります。回答スペースが1,2行分しかなかったり、100文字以内など文字数制限がある場合は、かなり簡潔にまとめる必要があります。全ての要素を盛り込むことは難しいため、所属しているゼミ名やゼミで学んでいる内容、研究室の概要のみを整理して記載しましょう。基本の文章構成で言うと、結論のみで十分です。難しい単語を使って内容を濃くするのではなく、初めて読む人でも理解できるようにわかりやすく書くことがポイントです。
・文字数制限なし、スペースが広い
回答スペースが広く、文字数制限がない場合は、自分の良さや強みのアピールもかねてゼミでの取り組み内容をより詳しく記載しましょう。基本の文章構成にある項目を網羅して詳細に書くことで、熱意や意欲も伝えることができます。文字数制限がない場合はどれくらい書くべきか悩むところですが、回答スペースの8割以上を目安にするとよいでしょう。
回答スペースの状況による書き方のポイントをおさえたら、最後に注意点を確認しておきましょう。
▼注意点
▢できるだけ専門用語を使わない
▢成果より過程を重視する
▢深掘り質問の回答を準備しておく
できるだけ専門用語を使わない
ゼミや研究室の項目だけでなくエントリーシートの全ての項目において「わかりやすく伝えること」が、当たり前ですが非常に重要です。特に専門分野の説明になる項目においては、できるだけ専門的な表現を使わないように工夫しましょう。難しい言葉を使う場合は、説明も忘れずに。親や友達など専門分野について知らない人に読んでもらい、わかりにくい部分がないか確認するのもおすすめです。
成果より過程を重視する
ゼミや研究室での成果=卒業論文であることが多く、まだ活動の成果が出ていない人もいるでしょう。安心してください。まだ成果や実績が出ていないことが原因で選考が不利になることはありません。企業は成果よりも取り組む姿勢や過程を重視しています。活動の途中でも行動を起こしたことで、学びや気づきがあったはずです。成果が出ている人もまだ出ていない人も、過程部分をくわしく記載するようにしましょう。
※過程を伝えるにあたってエピソード選びに悩む場合は、苦労したことや困難に直面したときに取った行動や難しい課題に挑戦して成長を実感した出来事、あなたの長所が発揮された場面などを思い出してみましょう。
深掘り質問の回答を準備しておく
志望動機やガクチカと同じくゼミや研究室の項目においても、面接官から記載内容を深掘りする質問をされることがあります。内容を盛ったり嘘をついていると、深掘りされた際に回答できず、バレてしまいます。正直に事実を記載していても、専門的な内容の深掘りに答えることはなかなか難しいです。想定質問と回答を事前に準備しておきましょう。簡潔にわかりやすく回答することで、言語力やコミュニケーション能力もアピールできます。
ここまでゼミや研究室の項目の書き方を説明してきましたが、「ゼミに入っていない場合は、何を書いたらいいの?」と不安に感じている人もいるでしょう。
▼ゼミに入っていない場合
ゼミに入っていなくても、空欄や「入っていません」とだけ記載して提出するのは、あまりおすすめできません。
ゼミに入っていない場合は、①ゼミに入っていない理由 ➁所属している学部・学科で学んでいることの2点を記載しましょう。
➁においては、受講している中で特に興味のある授業について記載しても問題ありません。大きな枠で考えると、企業が知りたいのは学業面への取り組みです。目的意識を持って取り組めているか?どんな価値観を持っているか?言語化する力があるか?という、企業が評価するポイントを意識して記載しましょう。
注意点もおさえて回答が完成したら、より良い内容にするためにブラッシュアップさせていきましょう!
続いては、選考通過したエントリーシートをもとに、例文をご紹介します。
もっと良くしよう!
選考通過★例文集
体育会学生の選考通過ES集をもとに、先輩がエントリーシートに書いた文章を5つご紹介します!
選考通過したESから抜粋しているため、効果的なアピールができている文章ばかり!
自分と似たゼミに所属している人の文章以外も、参考に読んでみましょう。
志望業種や職種、希望勤務地や地域、所属する部活動やサークル、文系理系など、自分と共通する例文を探して読んでみるのもおすすめです。
▼選考通過例文集
「大学やゼミで学んでいる内容について、ご記入ください。(300 字以内)」
所属するゼミにおいて、アメリカ憲法について学んでいる。「憲法」とは普段はあまり意識しないものの、全法の上位法として存在するため、実際は私たちの生活に密接に関わっているケースが多くある。具体的には、部活動という身近な場所での出来事が最高裁で争われるまでの大きな問題となり、そこで憲法が判断材料として用いられたものがある。英語の原文で裁判の内容を読むなどし、本来の意味に近い形で解釈するよう努力している。また、憲法は全ての根底に存在する以上、「一見自分とは結び付かない他人の考え方などに想像力を働かせること」でもあると考えた。憲法を勉強することはより広い視野で様々なものに想像を巡らせるきっかけになった。
「研究課題(ゼミナール/卒業論文等)」
ゼミ活動において、アメリカ社会学を専攻している。グローバル化が進む現代において、経済大国であるアメリカの社会の仕組みに興味を持ったためである。貧困、人種差別、環境問題という観点から海外の論文を読み、グループに分かれて、今後予想される問題を発表した。この活動から、問題提起力が養われ、物事を多角的に捉える力が身に付いた。
「研究テーマをご記入ください。(150文字以内)」
所属ゼミにおける研究として、政教分離の日米比較を憲法の側面から行っている。英語の原文で裁判の内容を読み、本来の意味に近い形で解釈するよう努力している。「憲法」とは全ての根底にあるものであり、馴染みがなくても実際は私たちに密接に関わっていること、また国間の違いを理解する1つの手段であることを実感した。
「ゼミナール・研究内容(100 字以内)」
日本近現代史ゼミに所属し、その中でアイヌ民族の研究を行っている。「何事も当事者視点で考える」という私の大事にする考えから、教科書ではあまり登場することのないマイノリティに注目し、アイヌ民族を専攻した。
「力を注いだ科目または研究テーマ(50 字以内)」
運動学習や脳の発達など、人の身体に関わることを幅広く学んでいる。特にグループ研究では人間の跳躍技術の巧拙の違いは何かをテーマにして研究をおこなった。
※()内に記載がない質問項目には、文字数制限や文字数の指定がありません。
スポナビでは、選考を通過した書類(エントリーシート)や内定者の志望動機などを、体育会学生から集めて公開しています。上記例文以外にも、総合商社・不動産・インフラ業界・コンサルティング業界など、様々な業界のESがあります。無料で見放題なので、ぜひご活用ください!
\他にも選考通過したESを見たい人はこちら!/
https://know-how.sponavi.com/category/entrysheet-2/
そして、企業に提出する前に、必ず誰かに添削してもらいましょう!
依然として就活生の売り手市場が続いていますが、大手企業や人気企業の場合、書類選考から倍率が高い可能性もあるため、練り上げた志望動機が必要になります。
家族や友人、先輩、チームのメンバーなど他の人に読んでもらい感想を聞くことで、気づきを得られたり、改善すべき点が明確になったりします。大学の就職支援課もおすすめです。自分とは異なる視点でのアドバイスを取り入れて、エントリーシートをブラッシュアップさせましょう。
▼添削のすすめ
「添削してくれるような関係性の人がいない」「完成度を上げるアドバイスがほしい」「人事に響きやすいエントリーシートのコツを教えてほしい」という人は、エージェントやアドバイザーなど就活のプロを頼ってみましょう。初めて経験する就活の中で、プロのサポートは非常に心強く頼もしい力になります。
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