『お仕事体験談』の第三弾は大手企業編!
大手かベンチャーかで就職先を悩んでいる学生さんが毎年いらっしゃいます。どちらを選択するかは自分で決めるしかありませんが、その参考やヒントになる記事です。
実際に大手企業で働いていたスポナビスタッフのリアルな体験談に注目です。また、転職を経て新卒での就活を振り返ったコメントと現就活生へのアドバイスもあるので、最後まで読んでみてください!
新卒での就活:大学院進学か就職か
スポナビ南野:本日はお時間いただき、ありがとうございます。よろしくお願いします!
スポナビ上村:よろしくお願いします!
スポナビ南野:では早速インタビューに入っていきたいと思います。1社目の銀行に入社した際はどのような就職活動を行っていましたか?
スポナビ上村:実は、あまり本格的な就職活動はしていないんです。私は体育学科に所属していてスポーツに関することが好きだったので、バイオメカニクスの研究などにも興味があって大学院への進学も考えていました。ただ、大学院に進んだとして自分が研究に向いているのかなぁと悩んでもいました。そのときにバレー部の先輩からご飯に誘われて、先輩が働いている銀行のお話を聞き、仕事内容も幅広くて面白そうだなと思ったので、その1社だけを受けて入社を決めました。
スポナビ南野:大学院に進学するか、民間企業に就職するか、競技を続けるか、進路に悩む学生も多くいるので、アドバイスをお願いします。
スポナビ上村:もし学生時代に戻ったとしたら、私は大学院に行ってみたいなと思いますね。大学院での経験は社会に出てからも役に立つからです。ただ進学すれば良いというわけではなくて、大学院に行くとしても、大学院を卒業してからこんなことを実現したい、という明確な目標があれば良いと思います。学んだ先に自分のなりたい姿や解決したい社会課題があると、そのためのステップとして大学院進学の意味があると思います。
前職:20年以上務めた銀行業務
スポナビ南野:1社目の銀行ではどのようなお仕事をされていましたか?
スポナビ上村:新入社員として入社した当初は支店配属でした。窓口業務や集金業務から始まり、お金を貸すに当たっての書類審査や決算書確認などの融資業務を3年ほど担当していました。その後、国際的な業務を希望し、市場営業部に移りました。為替や債券市場の動向を見て、そこで収益をあげていくディーリング業務や市場商品に関わるマーケティングを行っていました。
入社前から明確なキャリアビジョンを持っているというより、キャリアを積み上げていく中で興味のある分野を見つけて専門性を極めていく、という人が多かったように思います。1社目の銀行では22年間、2社目の銀行では1年半ほど勤めていましたが、そのうち約20年は市場部門の業務をしていましたね。
転職:スポーツに関わりたい
スポナビ南野:長年勤められていた銀行からスポーツ業界の企業に転職しようと思ったきっかけは、どんなことがありますか?
スポナビ上村:もともとスポーツに関わる仕事をいつかやってみたいなとずっと思っていたのと、より世の中の役に立っているという実感を持てる仕事に携わりたいなという思いもあり、新しいことに挑戦するために銀行を辞めました。
スポーツに関わる仕事を探していたところ、たまたま新聞に様々なスクール運営をしている会社の人財募集広告が目に留まり、よくよく見るとスイミングスクールの募集もあることに気づいて、面白そうだったので応募しました。縁があってそこでの採用が決まり、入社しました。全く計画的ではなくて、行き当たりばったりな人生を歩んでいます。笑
スポナビ南野:スイミングスクールでは、どのような業務を担当されていましたか?
スポナビ上村:私が配属されたのは事業本部で、全国にあるスクールの会員数(おもに子供たち)をどうやって増やしていくか、という仕事をしていました。それに加えて選手強化のサポートもやっていました。当時オリンピック選手も所属していたので、私としてはオリンピックに関わる人たちの輪に入りたいなと思っていて、選手強化のサポートのほうにもかなり力が入っていました。
全ての仕事内容にやりがいを感じていましたし、スイミングコーチの方々も良い人が多くて、スポーツマン同士で通じ合えるというか厳しくも楽しい雰囲気だったのでスポーツの魅力を日々再認識していましたし、水泳を楽しんでいる子供たちの姿も素敵でした。選手クラスに所属する小学生から高校生の代表選手が一堂に会する年に一度の競技大会での全国から選ばれた選手やコーチが戦う姿も、スポーツの熱さを感じられた素晴らしい経験でした。
スポナビ南野:次の転職を決めたきっかけなどはありますでしょうか?
スポナビ上村:スイミングスクールを辞めたのは、オリンピックが終わって一区切りついたことと病気をしたことがきっかけで、このタイミングで東京に戻ろうと決めました。
前回と同じく会社を辞めて次を探し始めたのですが、年齢的な問題もあってなかなか次が決まりませんでした。でもスポーツに関わる仕事がしたいという思いは捨てられず、某外資系スポーツメーカーのHP見ていると採用募集が載っていたので、あまり期待はせず応募してみました。すると「一度お会いましょう」と連絡があり、選考を受けて、採用が決まりました。その会社はもともと好きなブランドだったので、すぐに入社を決めました。
スポナビ南野:スポーツメーカーでは、どのようなお仕事をされていましたか?
スポナビ上村:マーケッティングオペレーションというバックオフィス的な仕事からスタートしました。具体的には、1年後の販売戦略に基づき、いつまでに何を決めていくかといったプロセス・スケジュールを管理する業務です。世界各地のマーケターを集めて会議をするなど、マーケティングには非常に力を入れている会社でしたので、バックオフィスながらワクワクすることも多かったです。その後はFP&G(Financial Planning & Analysis)という部門で、直営店の出展計画の管理、日本法人の予算策定や予算実績のギャップ分析など、様々な仕事をさせてもらいました。そこでは6年ほど働きましたね。
スポナビ南野:スポーツメーカーで働かれている中で、現在のスポーツフィールドに転職した経緯を教えてください。
スポナビ上村:理由は単純に仕事がしんどくなってしまったからです。若い人と一緒に働くポジションだったのですが、いくつも歳が離れた若い人たちと同等のパフォーマンスを上げることがきつくなってきたので、会社自体は大好きだったのですが別の道を探すことにしました。
辞めてから転職活動をしていたところ、エージェントの方からスポーツフィールドという会社を紹介していただきました。当時上場を目指していたのでそこの部分に関わることができるなら、ちょっと挑戦してみたいなと思って応募しました。スポーツに関われるということと、上場を目指すということで自分の今までの経験を活かしつつ新たな挑戦ができるということが、決め手でしたね。
就活生へのメッセージ:思いついたらまずやってみよう
スポナビ南野:転職など様々なことにチャレンジしてきた上村さんのマインドを教えてください。
スポナビ上村:基本的に、自分の興味があることはとりあえずやってみようというマインドです。やってみたいという気持ちが先行するタイプだったので、行動を起こしてこれたと思っています。よく考えることも大事なのですが、興味があることや自分のやってみたいという気持ちを優先してもいいのではないかなと思います。
スポナビ南野:最後に、就活生に対してメッセージをお願いします!
スポナビ上村:いろいろなタイプの人がいると思います。先のことまで考えてこうゆうことを解決したいから今これに取り組んでいるんだ、この会社に行きたいんだという人たちもいれば、自分のように何をやっていいのか分からない、興味のあることは一応あるけど具体的にどうしたらいいか分からないという人も多いと思います。後者の場合でも、あんまり悲観せず、人生なるようになるので、思ったことをどんどんやってみるのが一番良いと思います。
人の目を気にしすぎず、まずは自分が思うように動いてみる、やりたいようにやってみてください。就活に、成功も失敗もありません。入った会社の置かれた環境で、その時に自分がどれだけ頑張れるか、結局は自分次第です。人生においても就活においても、自分の気持ちや考えに従って、思いついたことを行動に移してみることをおすすめします。就活頑張ってください。