『お仕事体験談』の第一弾はスポーツメーカー編!
体育会学生が興味を持ちやすいスポーツ業界のイメージと現実を探っていきます!
実際にスポーツ業界で働いていたスポナビスタッフのリアルな話に注目です。また、転職を経て新卒での就活を振り返ったコメントと現就活生へのアドバイスもあるので、最後まで読んでみてください!
前職:スポーツメーカーのお仕事とやりがい
スポナビ南野:スポナビの南野と申します!本日はお時間いただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします!
スポナビ矢部:よろしくお願いします!
スポナビ南野:では早速インタビューに入っていきたいと思います。まずは前職のお仕事について教えてください!
スポナビ矢部:前職は某大手スポーツメーカーで働いていました。最初は大阪支店の営業部に配属されました。そのなかでも中四国の担当になりまして、主に島根県と山口県を1人で担当していました。全国担当の部署もあってそこは全国の大型量販店を対象に営業活動を行うのですが、エリア担当の営業部は個人経営や地元密着型のショップを対象に営業活動を行っていました。
営業部の仕事は、基本的にスポーツショップや小売店などに訪問して、在庫調整や販売企画を行います。お店からユーザーのもとまでいかにスムーズに商品が流れていくか、つまり売れるかを、お店の人とタッグを組んで考えていました。
約2年ほど大阪支店で働いて、次は東京本社に異動になりました。そこからは販売促進部に配属になりました。ここはいわゆるバドミントンの専門部隊になっていました。営業部ではラケット全般を扱っているので、バドミントン・硬式テニス・ソフトテニスなど競技は様々でした。それに対して販売促進部は、競技ごとに課が分かれておりそれぞれ専門部隊になっていました。
基本的には学校やクラブチームなどのエンドユーザーに直接訪問して、講習会をしたり練習相手になったりして、商品の良さを知っていただく活動をしていました。また、強豪チームとは用具使用契約交渉を行うこともありました。そのチームの選手が試合でうちの商品を身に付けて活躍することで宣伝効果を得るような活動を行っていました。あとは、実業団のチームとも契約していたので、用具の手配だけでなく、特注のゲームシャツをデザインから一緒に考えて作って納品したりしていました。
スポナビ南野:営業活動のファーストステップとしては、矢部さんから店舗に電話をかけてアポイントを取ってから訪問されていたのでしょうか?
スポナビ矢部:基本的には会社のブランド力が強かったので、昔からやり取りのあるお店ばかりで、新規開拓はなくほとんど既存のルート営業がメインでした。
先輩社員から引き継いだ後、電話でアポイントを取って訪問していくのですが、いつお電話してもウェルカムという雰囲気だったので、こちらが「お時間ください!」というよりはお客様のほうが「え、わざわざ来てくれるんですか、ありがとうございます!」という感じでした。ありがたいことですよね。
なので営業活動に難しさは感じませんでしたが、体力的な大変さはあったかもしれません。大阪から島根県・山口県に訪問していて、月の半分以上は出張でしたから。
スポナビ南野:前職でのやりがいや楽しかったことは、ありますか?
スポナビ矢部:大きな仕事に携わることができるのが、やりがいでした。
バドミントンでは国内で唯一の国際大会を主催していて、そこの実行委員として携わって大会を作っていました。東京オリンピックにも関わっていましたし、日本代表のスポンサーもやっていたので代表に帯同して海外遠征について行ったりもしました。そういった大きな仕事に携わることができたのは良い経験でした。同業他社のメーカーではできないような大きな規模感で仕事ができていて、やれる範囲の大きさを実感していました。
企業としては、そういった大きな仕事をしつつも、昔から繋がりのある店舗や卸先を大事にしていたので、その考え方も好きでした。
新卒での就活:実はスポーツ業界に興味がなかった就活生時代
スポナビ南野:ちなみに、なぜ某大手スポーツメーカーに入社を決めたのでしょうか?
スポナビ矢部:自分自身が小学校1年生からずっとバドミントンをしていて、バドミントンと言えばここ!というようなブランドの企業だったので、もともと憧れというか興味を持っていました。
プレーヤーとして表に立ってやっていた期間が長かったので、裏側から支える立場になって競技に貢献できる点にも魅力を感じていました。バドミントンのブランド・メーカーの中でも、初心者からトップレベルまで幅広いレベルや年代の人が使用しているものだったので、影響力や貢献度が大きい企業だと思いそこに決めました。
スポナビ南野:就活の時は、スポーツ業界のみでしたか?それとも他にも受けていましたか?
スポナビ矢部:他も受けていました。というかむしろ他の業界しか見ていませんでした。体育会学生あるあるかもしれないのですが、金融業界を見ていて、私はその中でも銀行に絞って受けていました。
結果的にスポーツ業界への就職になったのは、関係者に声をかけてもらったのと、自分のバドミントンの経験が活かせると感じたからです。
スポナビ南野:なぜ金融業界や銀行に興味を持っていたのでしょうか?
スポナビ矢部:正直、銀行マンってかっこいいなという単純なイメージみたいなのも理由の1つとしてありました。あとは、社長や上の立場の人と会って話ができるという点で自分の成長に繋がりそうだなとも考えていました。
1番大きな理由としては、全ての業界に関わることができて、幅が広がるから銀行に興味を持っていました。定年まで銀行で働こうと思っていたわけではなく、銀行での仕事を通していろんな業界について知って、その中から自分のやりたいことを見つけたいと思っていました。銀行に就職した先輩を見ていると、ずっと銀行で長く働いている人なんてほぼほぼいなくて、銀行から転職して大手に就職したり、給料を上げたり、キャリアアップしている人も多くいました。その点も良いなと思っていましたね。
転職:ブランド力に頼らず、自分の実力を試したい
スポナビ南野:転職しようと思ったきっかけは、どんなことがありますか?
スポナビ矢部:ブランド力が強すぎる、というのが理由でした。自分が営業をやっていて、正直1か月間何もしなくても前年の80〜90%は売れるんです。勝手に売れるというか、お客様が商品を求めてるから注文してくれていました。いつも月末に残りの10%を自分の力で売る感じでした。でもそれも「今月中にもうちょっと買ってくれませんか」みたいなお願いベースです。
あるタイミングで、これって自分じゃなくても誰でもできるな、と気づきました。それで、営業としてこれでいいのかな、自分の力をもうちょっと試したいな、と思うようになりました。これが転職を考えたきっかけですね。
あとは、有形商材はどうしても商品ありきなので、商品が良ければ売れるんです。その点では前職は質が高く多くの人から選ばれていただけであって、売るのは自分じゃなくても良かったんじゃないかと思います。
そうではなくて、自分の力で売れるかどうかというところにチャレンジしていきたいと思ったので、転職活動では無形商材の営業を調べていました。
スポナビ南野:無形商材の業界だと、どんなところを受けていましたか?
スポナビ矢部:人財業界に絞って、4社ほど受けていました。
スポナビ南野:そのなかでスポーツフィールドに決めた理由は、どのようなものがありますか?
スポナビ矢部:1つはスポーツとの繋がりの親和性があったからです。無形商材の営業という未経験の仕事内容に飛び込むにあたって、何かしらの親和性を感じていないと、不安がありました。そういう点では、スポーツという点がマッチしていました。
また、2次面接の面接官の方に惹かれたことも、決め手になりました。その方の雰囲気というか、その方から感じ取れる会社のカラーが自分に合っているなと思いました。面接においても、「包み隠さず答えるから何でも聞いてくれていいよ」と言ってくれていました。前職の社風と似ていたので安心感がありました。
実際に入社してみても、入社前のイメージ通りの雰囲気で、居心地よく仕事に取り組めています。
スポナビ南野:有形商材の営業から無形商材の営業に挑戦してみて、いかがですか?どんな違いがありますか?
スポナビ矢部:有形商材は量を追わないといけなくて、無形商材は質を求められるなと感じます。大きな違いは質か量か、というところでしょうか。
有形商材の営業は、比較的担当数が多く担当エリアも広いので体力的にしんどいと思います。無形商材の営業は、お客様の母数は少ないですが、1人1人に対してカスタマイズしないといけないので、考え抜くということに労力を使います。
就活生へのメッセージ:自分と向き合って、先のことまで考えよう
スポナビ南野:就活生のときにやっておけば良かった、今の就活生にはこういうことに取り組んでほしい、というアドバイスはありますか?
スポナビ矢部:やっておけばよかったと思うことはありすぎますが。笑
1つは語学の勉強や資格取得ですね。何か強みとなるものが目に見える形で提示できたら、就職活動でも転職活動でもかなり強いなと感じるので、何かしらの資格を持っていると良かったのかなと思います。
スポナビ南野:最後に、就活生に対してメッセージをお願いします!
スポナビ矢部:まだ分からない先のことまで考えて活動するのは難しいことかもしれないけど、就活というのは今まで経験してきたことをしっかり振り返る良いタイミングだと思います。
自分がどういう風に育ってどういうことに興味を持ってどういう選択をしてきたのかというところを、一度立ち止まって振り返ってもらえれば、今後どういうことをしていきたいのかについてもおのずと見えてきます。
しっかりじっくり時間を使って考えるということをやってもらえれば、後悔のない就活に繋がるので、自分と向き合って頑張ってください!